恋の至極は忍恋と見立て候。
逢ひてからは恋のたけが低し、一生忍んで思ひ死にする事こそ恋の本意なれ。
歌に
「恋死なん 後の煙にそれと知れ つひにもらさぬ中の思ひは」
これこそたけ高き恋なれと申し候(後略)

聞書第一 二

恋の至極は忍ぶ恋ではなかろうか
出会って時が立てば思いは低くなる
一生忍んで思い死にすることこそが恋の本意ではなかろうか
この歌にあるこれこそ恋の至極である。