葉隠は今よりおよそ300年ほども昔に作られた書物であります。
中身は徹底した尚武思想ですが、理にかなってるとは云いがたく、また
同じ葉隠の中でも矛盾した話が多々あり、どちらかと言うと道徳感を養う物が多く、
誰でも一度は聞いたことがあるお説教話があります。

さて、いつの時代でも若者は人であれ物であれ美術であれ歌であれ古いものを悪しとし、新しきもの
はやり物を良い物と考える人が多いです、それはそれで若者の前向きな姿勢とし、そう悪いことばかりでも
ないとは思いますが、時にはそのような思いが固まりすぎると失策を生むものです。

昔から伝わるものは、ただカビ臭い、説教臭い、苔生した骨董品でしょうか?

いいえ、大城はそうは考えません、古くから伝わるものは、それだけ数多くの人の心を打ち、共感を得て
来たからこそ、今まで伝わってきたものです。

今の若者が古いものを嫌い、共感するままに感じている歌なり物なりのいくつが、20年後の彼らの
心をそのまま打つでしょうか?彼らの子供、孫に共感してもらえるでしょうか?

古きものは、ただ古いからという理由で今日まで伝わってきたものではありません、
長い年月の間、人の心を打ち、共感させてきたからこそ今日まで伝わってきたのです。

これは大城の個人的な趣向ですが、【遠き山に日は落ちて】【君が代】は大変美しい曲だと
思います、これらの良さを感ずることが出来れば、それらの感性を土台にして、さらに
若者の未来は開けるのではないだろうかと思います。