この文章はパソ通や、雑誌の記事等での質問に回答した物を集めて編集したもので
す。当時のＴＶシリーズや、ＯＶＡシリーズでの裏話やデザインするにあたって
のコンセプト等、デザインを見ながら楽しんでいただければと思います。
＞テッカマンのボルテッカについて。
元々レイピア、アックス、ランス、ソードにはボルテッカを付ける予定は無かったのです。
でも、設定を上げてからストーリ上ボルテッカが必要となり、後付として強引に設定していったのです。
レイピアは自爆したからなんとかなったのですが、アックスはコンテでしっかりと描かれていたので、
さすがに逃げられませんでした・・・
アックスに関しては始め腹部のパーツが上にスライドしてボルテッカ発射口が出る様に
設定したのですが、コンテではフカンでとらえていたために腹部では見えづらいという事で、
胸のパーツが外れて発射口が見えるように修正しました。
最後のボルテッカだったから良かったものの、現実的に考えていつでも使える物をわざわざ
装甲が外れるというのはとても不自然に感じてしまうでしょう。
腹部にボルテッカがあった頃は私の大嫌いなセミの顔をイメージした発射口だったのですが、
ボツったのはとても残念ですね。
しかし、ランスについては最後の断末魔的ボルテッカという設定ではなかったので、しっかり
とした設定が必要だったのです。
でも、ランスのデザインでは胸のパーツを開くのはかなりの無理がありました。
そこでランスの首は長いというのに目をつけ、苦し紛れに首をスライドさせた所に発射口を
付けてしまったのです。が、フィルムでは何がなんだか分からなかったですね・・・
ソードは胸パーツを両側に開いて発射する様に設定したんですが、これもロングだった
ので全然判らなかったですね・・・でも、このアイディアが今度のテッカマンベスナーに
受け継がれています（フロントホックタイプの・・・１話じゃわかんないけど）
始めはブレードのボルテッカを何処につけるかで、かなりの困難を極めました。
外には表立って公表は当然されませんが、当初は頭部がスライドして開く案があり、
そのアイディア用に６点ほどラフを出しましたが、しっくりいかずボツになりました。
でも、頭部がスライドする案で描いた６点のラフのうちの１点がブレードの頭部デザインに
使用されたのです。
そのためにブレードの頭部の段差にはそのなごりがあるのです。
他に胸がガバっと開くという絵もありましたが、ガイバーになりそうだったので不採用
となりました。
その後私が「肩が開くってのはどうでしょう？」とアイディアを出しましたが、絵の出来が
誰も想像できなかったので「とりあえず描いてみて」って事で描いたのが採用されたのです。
今では普通に見えるかもしれないけど、当時はそこに行き着くまでにかなりの時間と試行錯誤
を必要としたのです。
＞テッカマンエビルの腹が顔に見えるのはナゼ？
これはデザイン論になってしまうので詳しくはかきませんが、デザイン上での感じるデザイン
の一つに、ある部分が何かを模倣しているように思わせる。というのがあります。
つまり、エビルの腹部が顔のように見えるというのは私が初めからそれをねらってデザイン
していたからだと思います。
初めの設定で考えていたのは、あの腹部が実はラダムに支配された紋章として存在し、
エビルが人間の感情に流されそうになると、それをラダム側に引き戻す役割を果たす
なんて考えてましたが、結局それは首の後ろの第三の目に変わりました。
元々、デザインには頭のデザイン以外にも胸と背中にも顔がある位の気持ちでデザインするのが
理想的で、それによってデザイン全体から感じる強さや恐怖心が相手にも伝わるのだと思います。
＞テッカマンランスのバーニア噴射口はエビルのボルテッカ発射口と似てるのは偶然？
あそこまでいくともう後ろのデザインのネタも尽きていたので、気分で処理してしまったのです。
初めのラフ段階でランスには翼状のパーツが付いてました。でもブラスターブレードの
翼を強調したかったのと、シルエット的にエビルより強くみえそうだった。
突起物をこれ以上増やすとシルエットが判らなくなる。いかにもってデザインになりそうだった。
等があり、あのデザインに落ち着いたのです。
アックスの後姿も初めは現場から「すっきりしすぎているから変えてくれ」といわれたのですが、
私はシルエットに特徴があるから問題ないと思って変えませんでした。
とにかくアックスは弁慶にさえ見えればそれでいいと思ってたので・・・
＞テッカマンソードの背中の髪のようなパーツはバーニア？
あれはバーニアです。でも、髪の毛に見えて欲しいと思って頭部と同じ色にしました。
まだＴＶシリーズのデザインラフでは今回のＯＶＡのように、もろ髪の毛を付けてしまう事が
できなかったので、レイピアもショートカットにして（本当はロングヘアーにしたかった）
ソードも頭部からラインを一度切って背中からバーニアとして伸ばしたのです。
しかしＴＶシリーズでは枚数制限があっｔ、禁ロングヘアーだったのですが、ＯＶＡでは
イーベルのポニーテールと袖が常にヒラヒラとなびいているので、余計枚数がかかって
しまったそうです。
異星人テッカマンも今回は全員にシッポが付いてるので、これも枚数が増える要因に
なっているようです・・・・で、極めつけのアキテッカマン・・・
＞テッカマンオメガについて。
ＴＶシリーズの５話辺りにオメガは初登場しますが、実はあの時、まだデザインは顔程度
までしか決まっておらず、マントをさせてごまかしていたのです。オメガも初期のデザイン
ではまだ人形をしていました。
首領と言うことでランサーではなく、杖状の武器？をラフで描いていたのですが、この先
どうなるか判らないから、ひとまず保留という事に決まったのです。
で、５話を見たらでてるじゃあありませんか杖が・・・その先もオメガに足が付いていたりと
私もヒヤヒヤしながら見ていました（なら早く描けよ）
そんなこんなで結局、最終話になってやっと正式に設定を起こしたのです。だから、その前の
オメガとは顔から何から違うのです。
ちなみにあの杖のデザインで一つこぼれ話を・・・
あの杖のラフには笛が吹けるように穴が開いていたのです。これは裏切り者ブレードに
対してオメガが♪チャァラ〜ラ〜チャララチャララ〜と笛を吹くとブレードが苦しみ始める（笑）
なんてギャグを考えていたからです（判る人にはわかる）
当然そんなのはボツです（う〜んプロフェッサーオメガ）
しかし今回のＯＶＡのイカテッカマンには笛の穴が付いてます（当然使いませんが）